大人のための『おぼっちゃまくん』、
『新・おぼっちゃまくん』の
感想をご紹介します!!
さて『新・おぼっちゃまくん』ですが、まずは表紙で笑いました。
道場ブログで既に見ていましたが、実物の大きさで見ると可笑しさも倍増します。
本編の絵に関しては、旧『おぼっちゃまくん』よりも線が洗練されているように感じます。
茶魔たちが皆、少し大人びて見えました。
それはそれで可愛さやエグさがあり、ビジュアルだけでも楽しいです。
内容としては現代日本の抱える諸問題を網羅しており、社会の縮図を見るようです。
しかしそんな分析したがりの一読者を圧倒する怒涛の展開に、付いていくのが大変でした。
特に描き下ろし「貧乏人は恐かぶぁい」では、ページをめくる度にどんでん返しが起きて、ひたすら「すげー」と思うしかありませんでした。
最後の一コマまで油断できません。
(因みに私はハチノコとイナゴは食べたことがあります。佃煮が美味しいです。)
個人的に一番面白かったのは第3話「こども食堂でしゅ」。
「こども食堂」というワードが纏う善意の雰囲気を、金の力で押し倒すことに笑いました。
私も「こども食堂」は大事だと真面目に考えているつもりですが、だからこそ面白かったです。
茶魔に現金を積まれたおばちゃんが一旦は断るものの、後に茶魔が意図せず落とした黒真珠はちゃっかり頂くところに、人間心理への深い洞察を感じます。
本書は「人間とは何か」を考える上でも得るものが大きいです。
本質的なテーマを笑いながら感じる・考えることができる怪作だと思います。
(ゾウムシ村長さん)
旧作の『おぼっちゃまくん』でも、開始当初と中盤、後期とでは全然絵が違っていて、つくづく絵って生き物だなあと思いますが、『新・おぼっちゃまくん』も、可愛さもエグさも込みで、本当に絵が生きている!
そしてその内容も、可愛さもエグさも込みで、本当にキャラが生きている!!
この面白さ、見逃したらもったいなさすぎますよ!